「マルティーナ様、お待ちしてました」


準備を済ませ部屋を出ると、ロルフが待っていた。小振りな剣を小脇にさし、ほんとボディーガードって感じ。

僕と同じくらいの年なのに凄いな。


「張り切ってるね、ロルフ」


僕に続いてクラウスが出てくる、その瞬間キッとロルフは睨み付けた。


「だから、なんでお前はマルティーナ様に、馴れ馴れしいんだよ!」

「ロ、ロルフ朝から止めましょう」


僕はロルフに近づいて、宥めるように見つめた。クラウスとケンカなんて、絶対にしてほしくない。


「え、あっ……」


あれだけ威勢の良かったロルフが、急に口ごもってしまう。おまけに顔が真っ赤だ。


「どうしたの?ロルフ」

「ななな、なんでもありません!!」


勢いよく髪を揺らし、そっぽ向いてしまった。僕、何かしたの?

おどおどと困りながら、クラウスの方を見ると、クラウスは必死に笑いを堪えている。


「早く朝食を召し上がりに行きましょう」


そう言ってるクラウスの顔は、やっぱりまだ笑っている。それにロルフも僕から目を逸らしたまんま。

とりあえず、朝食食べに行こうっと。