「あっ、そろそろグスタフのトコに行かなきゃ」
怪我まだ治ってないのに、グスタフの授業は今日もしっかりある。グスタフらしいといえばグスタフらしい。
「おう、頑張れよー」
声援を受け、掃除に戻るリヒトを見送った。
リヒトと別れグスタフの所に向かう途中、どこかで聞いたような、微かに覚えてる声が聞こえてくる。
「マルティーナ~!」
「はい?」
ものすごい勢いで誰かが走ってきた。えーと、誰だっけ?
「愛しの君に会いに来たら、なんだい、この城中に流れている噂はぁ!!」
芝居のような大袈裟な身振り手振りで、僕に何かを訴えかけてくる。
あっ、思い出した。
