「何するのよ!!」
即座に腕を捕まれる。体は宙に浮き、投げられた事を認識するまで、数秒かかっていた。
「うわぁ!」
ダァンッと地面に叩きつけられ、リヒトの頭の中は真っ白だ。
自分は体つきは細い方ではあるが一応男だ、いとも簡単に女の子に投げられるなんて……リヒトは自信喪失する。
「ちょっと、こっち来なさい」
そのまま、姉様はリヒトを無理やり立たせ、引きずるように建物の裏に連れていく。
姉様はお忍びなわけで、目立つ行動はまずいのだろう。
「なんでこんな事したの?」
リヒトの胸ぐらを掴み、キッとものすごい目付きで睨む。これじゃ、誰も女王だなんて思わないよね。
