「また、不審者ですか。城の警備は何をやっているのやら」
困りがちに目を伏せ、クラウスは小さくため息を吐く。
「まったくだな」
グスタフとクラウスは、二人でレスターに視線を送った。そんな事気にもせず、ニコニコと笑ったままだ。
羨ましい性格をしている。
でも、レスターやリリアは魔法で入ってきたわけだから、警備を責めるのは可哀想な気がする。
「この泥棒、牢にぶち込むか?」
「俺は泥棒じゃねぇ!!」
鋭い目でグスタフを睨み、泥棒を否定する。元々つり目なのに、よりキツい目つきになってしまっていた。
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