「あれから、何もないの」


「は…?…ごめん、意味わかんない。ちゃんと主語足して?」



「あっご、ごめん…!滝城くん、教えてくれるって言ったのに、何も教えてくれなくて困って……ます」


あの日からもう1週間が過ぎていた。


それなのに、何も教えてくれない。

帰ったら、一緒にご飯を食べて、一緒に寝るだけ。



だから、あたしは焦りを感じていた。


「葵、どうしたらいい?」


「そうねぇ……誘えば?」



「えっ?誘うって…何に?」