月日は流れ・・・

17才の冬
待ちに待った日が訪れる


これまでも毎日待っていた中で何もなかったわけじゃない

駅の便所で不良グループ６人に絡まれている子がおり勇気をもって救出にいくが腕っぷしも人数でも劣る康一が勝てるわけもなく袋叩きにされたが誰かが通報してくれたらしく駅員が駆け付けてくれ難をのがれた
その子は無傷ですんだので救出劇は大成功
名もしらないからまれっ子は傾いたメガネを中指でクイッと直し深々と『ありがとうございました』と頭をさげてちょこちょこ改札の方に走っていった

が、これぐらいの感謝では到底使命達成にはとどかない事はわかっていた


そして運命の日

駅前の自転車や車椅子の方が使うスロープがある
その日は冷たい雪が降っておりそこをベビーカーをおしながら通る女の人がいる
雪は固まりアイスバーンになっていた
当然のように女の人は滑りベビーカーのグリップから手を離してしまい勾配のあるスロープを流れのままに走りだすベビーカーその先は車やバスが通るロータリーがあるそのままいけば大惨事になる
一部始終を見ていた康一はシュミレーション通りとばかりに誰よりも早く反応し滑走するベビーカーの元へ！
ギュっとグリップを掴むと赤ん坊は何もなかったかのようにキャッキャッと笑っていた