この学校では、上品極まりない生活を送っています。
机と椅子は、海外からの高級素材で出来ているし、
教室は60畳もあるし、
お食事は世界でトップのコックさん達に作らせているし…。
言い出したら、キリがないほど
この学校はお金しか使ってないんです。
日本一の私立といっても、所詮は『学校』なのだから
そこまでする必要はあるの?と時々思ってしまいます。
でも、楽しいお友達や先生に囲まれて、
とっても楽しい学校生活を送れているの。
家のことなんか気にせず、
皆でわいわい騒ぐんだっ。
これは、庶民もお金持ちも同じでしょ。
だから学校が、本当の私の居場所。
「ルア、おはよう」
程よくウエーブのかかる髪に、
上品な言葉遣いをして。
甘く優しいオーラを放つ彼女は
あたしの一番の友達なんです。
名前は燐(リン)。
燐といるときだけは、本当の自分が出せるんだ。
だから、悩みがあったら
すぐ燐に相談をしています。
今回の執事の件も、
少し不安だったりもして…。
燐に相談しようか、まだ悩み中。
もう少し様子を見てから
相談してみようかな。
「おはようっ」
燐に笑顔で答えて、席を立った。