それからすぐに、あたしの身の回りの
お世話をしてくれた。
お世話といっても、
ずーっと付いて歩くわけではなく。
普通のお嬢様なら、着いて来させるだろうけど、
あたしはどうも苦手です。
自分の時間くらい、1人でゆっくりしたいから。
お金持ちの社長令嬢となると、
命を狙われてもおかしくないのに。
呑気にこんな考え方をしているあたしは
やっぱり『お嬢様』には向いてないのかもしれない。
でも、行き帰りだけは
車で送り迎えをしてもらっている。
お父さんがうるさくて、
しょうがなく乗っているの。
「…お嬢様、着きましたよ」
「ありがとう」
鞄を手に持ち、車を降りる。
あたしの通っている学校は、
1にお金、2に家柄、3に素質を持っている人達が入る学校。
日本でトップの私立に通っています。