啓人さんは、優しい笑顔で
「…燐」
あたしを優しく抱きしめてくれた。
啓人さんの腕の中は
不思議なくらいすごく安心出来た。
恥ずかしくてたまらなかったけど、
自分の腕を、啓人さんの背中に回して
少し力を入れて抱きついた。
啓人さんは嬉しそうな笑い声を出して
あたしの肩に頭を乗せた。
「あ、ルア」
暫くして、ルアに言わないといけない
と思って啓人さんに話してみた。
啓人さんも、仁さんにと言ったから
二人でルアのおうちに行くことにした。
ルアのおうちに行く途中も
ドキドキしっぱなしだった。
あたしの反応を見て、
啓人さんは満足そうに微笑んでいた。
啓人さん、あたしを
いじめるのが楽しいみたい(笑)
あたしとルアの家は
結構近い距離にあるから
二人で歩いていたら、あっという間に着いた。
ルアのおうちの執事さんに案内されて
広いお部屋で待っていると
「燐っ!」
ルアと仁さんが笑顔で出迎えてくれた。


