家に帰って、あたしはすぐ
お父さんのところへ行って
お見合いの話を断った。
『大好きな人が出来たから』って、正直に伝えた。
絶対怒られると思っていたけど、
そんな予想は正反対だった。
「今はまだ細かいことは聞かないが、
近いうちに教えてくれよ?
お見合いの話は、私が断ってくるから」
そういうとお父さんは
『頑張れ』と付け加えて、部屋を出て行った。
ホッとしたあたしは、
仁を求めて自分の部屋へ急いだ。
「仁っ!」
扉と一緒に叫んだ名前。
この名前を呼べるだけで幸せ。
仁はソファに座って、待ってくれていた。
あたしが部屋に入った瞬間、
仁の表情がパーッと明るくなった。
「どうだった?」
ソファから立ち上がりながら言った一言に
「応援してくれたっ♪」
満面の笑みで答える。
仁のもとまで小走りで行き、
その勢いのまま仁に飛びついた。


