「じゃあ、お見合いも断らねぇとな」
「あ、そうだった!」
とっくに頭になかったことを言われて、
『そうだった』と思って慌てて返事をした。
「…忘れてたのかよ」
半分呆れた顔をした仁が、あたしを見下ろす。
「だって、仁の事で頭がいっぱいだったから!」
サラッと言った一言に、
今度はあたしが真っ赤になった。
成り行きで言ってしまったーーー(照)
チラッと仁を見ると、驚いたように目を見開いていた。
くぅ~。
恥ずかしすぎるよっ。
今更後悔しても遅かった…。
頬の熱は上がるばかりで。
「お前、本当に可愛い」
仁はそれだけ言うと、
繋いでいた手を離して、あたしの後頭部を
仁の肩へグイッと引っ張った。
あたしは簡単によろけてしまって、
バランスを保とうと、仁にしがみついた。
「あ、危ないよっ」
「そっちの方がいい」
ぶっきら棒に言うけど。
仁に頭を持たれてるから、見上げることは出来ないけど。
照れてるの、もうお見通しだよ。


