頭より体が先に反応したみたいだった。
涙が伝った瞬間
嬉しくて嬉しくて、片手を仁の背中に回した。
「さっきは、あんなこと言ってごめん」
あたしの後頭部を優しく撫でてくれる仁。
仁の大きな手のひらが
あたしを安心させてくれた。
「俺、ずっと好きだったんだぜ?」
「えっ!?」
「お前、気づいてなかったろ」
仁の爆弾発言に驚きを隠せなかった。
でも、嬉しくて。
また、涙が流れた。
「どんだけ泣くんだよ~」
呆れたように言って、ポンポンと撫でてくれた。
「あたし、最近気づいた。仁を好きだったこと」
「だろうな」
「ええ!?なんで分かるの!?」
『仁は心が読めるの!?』と付け足した。
その言葉に驚いた仁が、体を離して
「お前、分かりやすいし」
『当然』という顔で言ってきた。
そ、そんなに分かりやすいのかなぁ?
仁の言葉に照れながらも、
「分かりやすくしてあげたんだ~!」
無駄な抵抗をした。
そんなあたしを見た仁は、
もう一度あたしを抱きしめた。