こういう時は、どうするのが最善なのでしょうか。
どちらか1人なんて……。
……選べませんっ!
もし選んだとしても、もう1人は…?
「おばあちゃん…」
「なんです?」
「1人を決めた場合、もう1人はどうなるのですか?」
「……この職をやめて頂きます」
えっ!?
職をやめちゃうの!?
じゃあ私は、この二人の人生を決めちゃうじゃん!
そんなこと……
「あたしにはできませんっ!」
あっ。
思わず口から出てしまった言葉に、おばあちゃんは冷静に答えた。
「それではどちらも嫌ということ?」
「いや…そういうことじゃなくてっ」
「じゃあ何ですか」
おばあちゃんの声のトーンが少し下がったような気がした。
あたしは、この状況に耐えられなくなってしまい
「どちらもというのは…ダメ……でしょうか?」
小さな声で、質問を返した。