二人で並んで、食事部屋まで行くと
お父さんが先に来ていた。
「旦那様、おはようございます」
「おはよう、お父さん」
仁の言葉のあとに、
急いであいさつを発する。
「二人ともおはよう。仲がいいのだね」
お父さんの言葉に、あたしたちは自然と
顔を合わせて微笑んだ。
「仲がいいのは結構!ルア、ちょっとこっちに来なさい」
「はいっ」
あたしは仁の側を離れて、お父さんのところまで足を進める。
「これを見てみなさい」
お父さんは、手に持っていた物をあたしに渡す。
開くと、知らない男の人の写真があった。
……これって…。
「お前もいい年なんだ。今後の将来のことも考えておかないとな」
お父さんは、写真の男の人を見ながら
嬉しそうにあたしに話しかける。
ってことは…お見合いをしろっていうの!?
「ちょっと待って。急過ぎるでしょ」
「いや、私はずっと考えていたぞ」
「あたしまだ心の準備も何も…っ」
「まぁ、お前にとっては急かもしれないが、よく考えておいてくれ」
それだけ言い残し、お父さんは食事部屋を後にした。