「恵さん。」

実琴は恵の肩を抱く。

「えっ?何?」

恵は驚き、目を丸くさせる。

「俺、ホントに恵さんの事好きなんですっ!」

そう言いながら、恵を持ち上げ、ベッドに降ろす。

恵は脚をばたつかせながら、叫ぶ。

「やっ!何っ?!」

「…ゴメン!もう我慢出来ない。」

実琴はそう言うと、唇を押し付ける。

「っん、ん~!」

恵も抵抗しようとするが、実琴が、両手・脚を押さえ付けるように覆い被さっているので、動けない。


一見、華奢な実琴だが、『姫』生活も一年前に終え、その後も襲われる身の危険を案じて、身体を鍛え始めたのだ。

三年ほど、女の子生活をしている恵は、実琴に抗(アラガ)う事さえ出来ない。


実琴は無理矢理唇を開き、舌を絡ませる。


-クチュッ


その音が実琴を更に煽る。

歯列をなぞり、下唇を甘噛みする。

より深く繋がりを求め、何度も角度を変えながら、恵を味わう。

「っん…ふぅ…んっ。」

恵の艶めいた吐息が、時折洩れる。

その声が、実琴の欲望を更に加速させる。