今日もまた、青い空を見上げて嬉しそうに笑う純夜の隣に立った。


「おはよう…」


欠伸を噛み殺しながら挨拶すれば、私よりも頭ひとつ分くらい高い純夜が笑った。


「優菜は今日も眠そうだね。」


あれからお互いを呼び捨てで呼び合う事になった。


初めは真っ赤になってた純夜も最近では慣れたのか普通に呼べるようになった。

空から視線を外して笑う純夜が中学生だと未だに信じられない。


かわいい顔はしてるけど、背は高いし、声も少し低いし、同級生だと言われても全く疑わないと思うよ。

そう言ったら純夜はそれは結構複雑だよって笑ってた。


何が複雑なのか、理解できなかったけれど。


「優菜は今日も寝坊したの?」


「それ、知っても面白くない話題でしょ。」
言いたくない


笑いながら聞いた純夜を軽く睨みながら言えば、

「別に、そんなつもりで聞いた訳じゃないんだよっ」

って慌てて謝ってきた。

だから、


「素直すぎるのも、考えものだと思うよ。」


って言って笑えば、純夜もなにそれ、って笑った。


到着した電車に乗り込んで、指定席となった席に座ってまた話し出す。


隣でニコニコしながら話をしている純夜を見ながら、
自分までニコニコしそうになるのを必死で耐えながら話を聞いていた。