「沙耶ちゃん…」

校門で人の彼氏を爆笑するなんて、酷くない?

沙耶ちゃんの腕を強めに引っ張って訴えれば、沙耶ちゃんが軽く吹き出した後に歩き出した。


今日は沙耶ちゃんが純夜と話したいからってわざわざ駅まで着いてきてくれる事になった。


歩き出した私達に純夜が慌てて走って来た。

「優菜、怒ってる…?」


隣を歩く純夜があたふたしているのを感じながら小さく首を傾げる。


なんで、私が怒らなきゃならないんだ。


よくわからなくて俯けば、純夜が黙り込んでしまった。

え、今、なんて言えば良かったの?


反射的に沙耶ちゃんの腕をぎゅっと掴んだら、ポンポンって頭を撫でられた。


「純夜君、優菜って素直じゃないよねー。」

沙耶ちゃんの明るい声に眉を寄せる。

それぐらいわかってるよ。

隣では純夜が知ってますよってしんみり言った。

なんで隣はしんみりしてんの?

てか知ってるならなんで怒ってるか聞くのさ。

純夜の返答に胸がズキズキとする。