恥ずかしくて死ねる。

「あ、優菜!」

「大声で呼ばないでよっ!」

あぁ、もう、恥ずかしい…。

真っ赤であろう顔に手のひらをかぶせて沙耶ちゃんの背中に隠れる。

「純夜君ってあの子?」

沙耶ちゃんの弾んだ声色に軽く肯定しつつ、頬の熱を逃がすように冷たい手を頬に当てた。

「本当に中学生だね。」

けらけら笑いながら歩き出した沙耶ちゃんの服の裾を掴んで校門へ向かう。

途中、ビシバシと感じる好奇の視線に眉を寄せた。

「ツンデレ女王だ。」
「え、あれって彼氏?」
「あぁ、先越された…」
「バカじゃねぇの?」


そんな会話が耳に入る。


ハハハハと笑いながら話をしていた男子を睨み付けながら校門へ向かえば、

「優菜!」

「う、わぁっ!」

目の前に突然純夜がドアップで現れた。

近い近い近い近い。


そのままにっこりと笑った純夜の顔を少々乱暴に押し返しながらけらけら笑う沙耶ちゃんを見る。

「純夜君、元気だねー」

何がそんなに面白いのか理解出来ないんだけど。

お腹を抱えて笑い出した沙耶ちゃんに純夜も首を傾げてた。