「…ごめん。」

泣かせて、ごめん。
あんな事言ってごめん。

悩ませてごめん。

色々、ごめんって言いたい。

優菜の震える肩をきつく抱き締めてもう一度、
全部全部込めて

「ごめん。」

そう言えば、

「ごめんって言うな!」

腕の中の優菜が暴れだした。

「へ?」

いきなりの出来事に優菜を抱く腕に力が入る。

「私の恥、返せ!」

腕の中で暴れる優菜の言葉に慌てる。

「ちょ、優菜、違う!違うってば!」

「は!?何が!もう離してよ!」

なんで怒ってるのかわかって慌てて誤解を解こうとするものの、涙でぼろぼろになりながら優菜が逃げようとする。

「優菜!まだ返事してないよ!」


優菜を強く抱き締めながら言うけど、優菜はさっきのが答えだと思ったみたいで、

「したよね!?ごめんって言ったもんね!?」


この一点張りで、

俺が暴れる優菜の腕を掴んで無理矢理こっちを向かせて思い切り首を振っても全然効果はない。


「言ってないってば…!」

なんだかこっちまで泣きそうになりながら言っても

それでも優菜は言ったじゃん!って泣く。


あぁ、もう。
またごめんって言いたくなる。

「じゃあもっかい最初からしようよ!」
それならちゃんと返事出来るじゃん!

もうそれしか浮かばなくてそう言ったら、優菜が眉を寄せて首を振った。

「イヤ。純夜はそんっなに私に恥、かかせたいわけ!?二度もフラるとか馬鹿にしてんの!?」

絶対にイヤだと首を振る優菜に本当に泣きそうになってくる。