肩で息をする優菜を見つめる。


今、ぼろぼろと目の前で泣いているのは彼女なんだろうか


いつも強気な彼女が初めて流した涙に俺が泣きそうになった。


「優菜、泣かないで」


いつの間にか崩れ落ちた優菜の肩に触れる。


優菜がしゃくり上げる度に肩が大きく震える。


優菜が、俺を好きって、言った。

素直に嬉しいと思う。


今までの態度を思えば、全然だと思ってたから。


だから、嬉しい


だけど、1つ気になる事がある。

これだけは、どうしても聞いておきたい。


「ねぇ、優菜」

それは、俺の顔がいいから?

俺が聞こうとして呼びかけたら、優菜が顔を上げて叫んだ。


「わ、私だってよくわからないんだから!
純夜の行動にいちいちドキドキするのも、純夜が笑ったら嬉しくなるのも、純夜が悲しそうだったら悲しくなるのも、私、初めてで何もわからないんだから、聞かないでよ!」



優菜が涙目で睨み付けながら言った言葉にぎゅ、と胸が痛くなった。


「優菜…」


それと同時に嬉しくもなった。


だって、好きな人からの好きって言葉だよ?


堪らなくなって思い切り抱きしめた。