告白しなよって簡単に言うけどさ、
そんな簡単じゃないと思うんだよね。

「大丈夫、優菜なら大丈夫だよ!」

って、そう言って彼氏の元へと向かって行ってしまった沙耶ちゃんを思い浮かべて軽くため息をついた。

駅の改札を通って、明日どんな顔をして純夜に会おうかとため息をついた。


そのままホームに目を向けて、

軽くかばんを落としかけた。

なんで、いるのさ。


駅のホームに座り込む純夜

あれ、純夜って駅、一個後だったよね?

困惑しながら、ぼーっと空を見上げる純夜を見つめる。

空を見上げる純夜は、いつもみたいな嬉しそうな顔じゃなくて、何か悩んでいるような、悲しそうな顔をしていた。


その顔に胸が痛くなる。

どうしたんだろう。

朝の自分の態度が原因だったら、どうしよう。
疑問ばかりが脳内を占めて、どうしようも出来なくなる。


動かなくなってしまった体の代わりに、口が大きく開いた。

「純夜!」

大きな声で呼ばれた純夜はキョトンとしながらも私の方を向いた。

それから、

「優菜」

申し訳なさそうな、嬉しいような
そんな表情で笑った。

そんな純夜の表情に泣きたくなるくらい、胸が痛い。

「なんで、いるの」


こんな事が言いたい訳じゃないのに。

「別に、会いたいなんて、言ってない!」


私の為に来たって、
言って欲しいのに。


それなのに、

「優菜が気になったから」

そう言って頼りなく笑う純夜は、ずるい。