竹本君の顔は揺るがなかった。ポーカーフェイスというのだろう。逆にわたしの顔は真っ赤で、「見ないで」と顔を隠したら、その手を掴まれ、抱き寄せられた。


「……有難う」
「なんで、こちらこそ有難う」
「俺もずっと好きだった」
「うん」
「俺と、付き合ってください」
「……うん、宜しくお願いします」


そっと腕の力を弱められ、わたしは竹本君から離れた。見ると竹本君も部屋着だった。
竹本君も私の服を見ていた。そして目が合って、笑った。


「なんか必死だな、俺ら」
「ほんとだね、必死だった」


でも、これからもっと必死になれる。
そう言ってふわりと笑う彼に、私は大きく脈を打った。




09 end