「……竹本君」
「藍川」

わたしは息を整えて歩み寄る。
真剣な瞳をまっすぐに見る。少し背の高い彼に視線を合せる。届ける。好きだと伝える。

「わたし、昨日のこと、ずっと考えてた」

話しだすと、もうストッパーなんてきかなかった。

「押し倒されたのは少しびっくりして、事故だってずっと思ってた。だって、竹本君がわたしなんかを、」
「藍川なんかじゃない、俺は藍川だから……」
「うん、嬉しかった」

竹本君がわたしのこと好きって言ってくれて、嬉しかった。

「わたし、竹本君が言ってくれなきゃ、自分の気持ちに気づいてなかったかもしれない」

ずっと追っていた。ずっとその瞳に憧れを抱いていた、同時に、同時に。





「ずっと、好きだった」