「ぽ」の口に、柔らかい感覚と温かい温度。 近くに泰輔の顔。睫毛が長くて、羨ましい。 私の肩に置いた泰輔の手が、私の下ろしたままの長い髪の毛に絡まっているのが横目で見えた。首に自分の髪の毛先が当たってくすぐったい。 ほんの一瞬だったと思う、でも長く感じる時間。 泰輔はゆっくり唇を離した。私は「ぽ」の口のまま、その場を動かない……いや、動くことができない。 ……今、わたし キスされた?