手を伸ばせば掴めたあの腕も 今は届かない場所にあった。 それを理解した時、私は初めて憎しみと嫉妬を知る。 「……消えちゃえ」 ぽつり、と呟けば、またも視界をよぎって行くゴミのようなもの。 わたしの視界から消え失せて。 彼に対するこの感情も、ね。 05 end