「きもいって何だよ!」

「あ、ごめん。きもいっていうよりうざい」

訂正すんなよ!
俺は心の中でツッコんだ。



02




「ていうか、さっきから何?本当そういうの迷惑」

と、汚らわしいものをみるような視線を俺に向ける目の前の女は春香。
可愛らしい名前を折角親につけてもらったのに、可愛いのは顔だけだ。
だけど俺達は惹かれ合い、恋に落ちて、今は恋人同士だ。

そして今いる場所は、静かな教室。
俺と春香しかいない。声や音がよく響く。

そういえば、俺達は付き合って半年が経とうとしているのだが
まだキスもしていない。抱き締めることもない。
手を繋いで帰ることなんて、滅多にない。

俺ももう中学3年生でね、色々考えちゃってる訳ですよ。
それは彼女も知っている。ていうか俺はもうオープンスケベで通っている。
なのに彼女は俺に興味すらも示さない。
もしかして、これは別れの危機なのか?


「……あのさぁ、春香」