二人のキョリ



トントン



「希久乃?入りたいんだけど鍵あけて」

優しい声。

この声が好き。

「希久乃!聞いてる?」





「今着替えてるから待ってて」

そういって

着替えながら

この思いを飲み込んだ。

時々秋に伝えたくなる思いは

何年もずっとしまい込んだまま

いっそ伝えてしまおうか

悩むけれどそんな勇気はない現実