二人のキョリ



ガチャっ…

自分の部屋のドアをあけて鍵をかけた。

「今日は特に疲れたなー」

そう独り言を呟いてベットにダイブした




疲れてる状態で秋に会うと

秋の持つ雰囲気や声、表情、匂いで

抱きつきたい

甘えたい

そんな衝動にかられるんだ



はぁーなんで今日に限って来てるわけ?

...元気もらいに来たって言ってたな


どうせまた

ズキッ

心に鈍い痛みが広がる。


いつだって優しい顔した悪魔に

振り回されるのはあたしなんだ。





幼なじみの秋は

いつもみんなに優しくて

顔も笑うと凄く可愛い


あの笑顔にみんな惹かれて

あいつは常にモテる。

大勢って言う訳じゃないけど…

あの優しさと

大人っぽい雰囲気は

まさに包容力の塊みたいなもので

落ち込んでる時や

イライラしてる時に

あの笑顔で優しくされた女の子は
必ずと言っていいほど好きになる

奴ってば人の変化に敏感で
気づいては、相談にのったり
元気づけたりしてた


男女構わずそんなんだから

あいつは人気もので

やっぱりあたしも

他の女の子と一緒で好きになってた

気づいたのはいつだったかな

多分中学生だったと思う