二人のキョリ


そう言ってこいつは

泊まることが決定した。

いや勝手に決めた

あいつが風呂に入ってる間に

お母さんに抗議の電話。


「もしもしお母さん?」


「あっ希久乃!そういえば言うの忘れてたんだけど今日は春子んちに泊まるからね!
危ないから戸締まりはしなさいよ!?
あっでも秋くんいるから平気よね?
もう秋くんったら女2人の方が話も盛り上がるだろうからって俺は希久乃の面倒みますとか言ってくれてほんといい子よね〜」

マシンガンのように喋る母に

「ねぇお泊まりはいつ決まったの?」

あたしは低い声で返す。

「えっ…と一昨日ぐらいかなぁ?」

「秋はいつから知ってたの?」


「決まった日よ。秋くんがお泊まり提案してくれたんだもの」

開いた口が塞がらないとは

まさにこの事。


「へ〜わかった。んじゃ楽しんでおやすみ」


「えっ希久乃?お、おや」

ぷつっ

そういって電話を切る

あたしのイライラはまた復活

そういうことはっ

早く言いなさいよね!!!!!!


秋も一昨日から知ってるくせに

なんてやつなの?