「あらっあなたが美園ちゃん?!」


賑やかに部屋に入ってきたのは、啓太のお母さん?!

あたしは慌ててお辞儀をした。


「こっこんにちはっ!美園です!」


ひえ~っ!緊張する!

啓太ママは思っていたよりもすごい美人で、芸能人がしているようなサングラスをしていて、やたらと似合っていた。


アメリカの習慣なのか、初めての顔合わせにもかかわらず、あたしにハグしてくれた。


ああ、何か、啓太とよく似てる。


「写真で見るより、本当、可愛らしいわねぇ~!」

「いえ、そんなっ!」

「ねえ、美園ちゃん、啓ちゃんは?」

「あ、そこで寝てます!」



あたしはソファを指差した。

啓太ママは啓太に気がつくと、ぱあっと顔をほころばせて、「啓ちゃ~~んっ!」と飛びついた。



びっくりして起きる啓太。

そして、お母さんの顔を見て、もっと驚いた顔をして、体を起こした。



「えっ、何でっ?何で帰ってきたの?」

「なぁによ、その反応!休みもらって、一日だけ帰ってきたのよ。もう明日の朝には発つから。それより、久しぶりねぇ。元気だった?美園ちゃんと仲良くやってる?」


「うん。仲良しだよ。ね?」

そう言って、啓太はあたしを見てにんっと笑った。



うっ…対応に困る…。

あたしは今回ばかりは、抑えられずに顔を真っ赤にしてしまった。


啓太、何か面白がってる?!



「あらっ、じゃあお邪魔だったかしら?」


啓太ママはやんちゃな子供みたいに、お茶目に笑った。