―…

先輩どこにいるかな。

私は先輩のいつものたまり場の校門の所に行ってみた。でもそこに先輩の姿はない。


まだ教室にいるのかな。それとも帰っちゃった?

あたしはちょっと拍子抜けして、ぶらぶらと学校内を探し回った。



動物園、行ってくれるといいな。

ちょっと子供っぽいけど。大丈夫だよね?先輩は本当は優しいもん。



もし、もしだよ?

先輩と付き合えるなんて事になったら…。

考えるだけで顔が火照る。


告白…してみようかな。

でももしそんな事になったら、あたしは啓太の部屋に行ったらいけないんじゃないかな。

彼女が他の男の部屋に通ってるなんて、誰だって嫌だもんね。



ってありえないけど!

あたしは百面相しながらも、気を取り直して先輩を探した。



中庭、生徒ホール、三年生の教室の前の廊下。

探しても先輩の姿はない。



「やっぱり、帰っちゃったのかなぁ…」


仕方ない、明日にしようと思って、最後に校舎裏を確認しようと思った。

すると、そこから声が聞こえてきた。



いた!先輩だ!