「あれ効いたんじゃない?ほら、縁結び!」
「うん!明日香が買ってくれたからだよ。こっちこそ、色々ありがとうね」
「何よ、水臭いなぁ!でも本当によかったね。今度ダブルデートしようね!」
「うんっ」
仕切りなおしてあたし達は、もう一度画面に向き合った。
本当に色んなお菓子が並んでいる。
そういえば、前に啓ちゃんがよくお菓子作るとか言ってたっけ。
あたしまだお目にかかってない!
今度一緒に作ろうーっと。
「でも色々あって迷っちゃうねぇ。バレンタイン、明日だっけ?」
「そう。だから、今日作んなきゃなんだよねぇ。明日香も作るの?」
明日香はマウスを動かしながら、「うーん」と唸った。
「京吾、甘いものダメなんだよねぇ」
「あ、そうなんだ」
「だから、何かお菓子意外のもの考よっかなぁって」
「頑張れ、明日香。愛がこもってれば良しっ!」
「あー、それあたしが言ったセリフじゃんっ」
「あれっ?」
そんな話をしながら笑い合っていると、後ろから声がした。
「ほう、上手そうだなぁ、柚木、川瀬」
ひいっ先生!
振り返って、顔を青ざめる二人。
「ちゃんと調べろぉっ!」
「すっすいませぇ~ん!」
あたし達は先生に怒られて、右上のバッテン印をクリックして、画面を元に戻した。
明日香は床を器用に蹴り、元の席に戻った。
よし、さっき見てた、マシュマロのフロマージュにしよっと!
レシピ簡単そうだったし!
今日材料買って、明日、間に合うかな?
今日は頑張って作るぞ!