「マシュマロ…手作りお菓子…っと」

「あ~美園、何見てんの?」

「うあっ!なっ何でも…!あはは」




総合学習の調べ物の時間、あたしはパソコンでアメリカの学校のシステムを調べてるフリをして、手作りお菓子のホームページを覗いていた。



あたしは必死で画面を隠そうとしたけど、ちゃっかり明日香に見つかり、にしゃにしゃされる。

明日香は動く椅子をさらにこっちに寄せて、画面を覗く。



「もうすぐバレンタインだもんねぇ」

「う、うん…」

「マシュマロ……ははーん、王子か!」

「も~明日香、声大きいってば!」



口を膨らませるあたしに明日香は、ごめんごめんっと笑った。



「仲直りできたんだ?」



ドキリとするあたし。

そして、小さく呟いた。





「ていうか…ちゃんと付き合う事になったんだ」

「えっマジで?!うそっ、よかったね、美園!おめでとう~っ!」




明日香は自分の事のように喜んで、あたしの肩を掴んでぐわんぐわん揺らした。

あたしは、目をバッテンにしながら、「ありっありがとうぅ~!」と返した。