「…ハイ、もしもし……」


勢いで電話に出てしまった~!

どうしよう、何でもいいから言ってって、一体何を言えばいいのよ?


最悪、帰りたい!


半泣き状態で受話器を握る。

すると受話器の向こうから、甲高い声が聞こえてきた。



『あらっあなたが?啓ちゃんと仲良くしてくださってる…えっと?』

「あ、美園といいます」

『美園さんっ?まーーーっはじめまして!私、啓太の母ですぅ!』

「は、はぁ、はじめまして…」



びび、びっくりした!強烈…!

すごいキャラだな…。



『嬉しいわ、本当にもう…何てお礼を言っていいのか…』

「いえっそんな…」



何であたしがこんなペコペコ頭下げなくちゃいけないんだろう…?

話が読めない…。

何か分からないけど、めちゃくちゃ感謝されてる?あたし。



あたしは、ちらっと啓太の方を見ると、下唇を触りながら、今度は縦に何度も首を振った。


おのれ、くそマシュマロ!!



「美園さん?」

「あっはいぃ!」