何か、寝起きの啓ちゃんって、テンション高いな。

ポポの背中を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めた。



「あたしは啓ちゃんの過去とか知らないけど、啓ちゃんは啓ちゃんだもんね」

「…うん?」



ああ、今、二人とも考えてる事は、あの神社での……。



「だから、あたし、今の啓ちゃんの事にしか、興味ないよ」


だから。



「だからねっ…」


ピンポーン。



「……」



また、邪魔?

やっぱり、あたし、相当運がない女かも…。


縁結びの神様にも見捨てられてるのかもしれない。

はぁ…。



「啓ちゃん、ほら誰か来たよ。出なよ」


あたしはそっと背中に押した。


「うん…」



啓ちゃんが面倒くさそうに後ろ頭をかきながら、チャイムに出ようとした時、ガチャっとドアが開く音がした。



「啓、いるの~?鍵開いてたよー」



え?

入ってきたのは、甘い、フローラルな香り。