「…なぁ…本当にこれは俺の推測なんだけど…」

「あ?」

「マジで、何とな~く思った事なんだけど……」

「な、なに」


鮫島が手を組み、あたしを見て小声で言った。



「お前ら、本当は付き合ってない、とか…ない?」

「えっ!!!」



な、な、な、何で?!

あたし、何か言ったっけ…?!



「うわ、マジで?本当に推測だったんだけど……!」


明らかに動揺するあたしを見て、鮫島が眉間を押さえた。

何で?何で?何で?!



「な、何で…そう思ったの?」

「何でって…そうだなぁ」



鮫島は腕を組み、「ん~」と右上を向いた。

すずめが足元のすぐ傍まで来て、飛び立った。




「カップルにしてはスキンシップが少ない、とか?啓が妙に落ち着きすぎ、とか…?」

「お、落ち着きすぎって何よ」

「啓、桃井と付き合ってた時、めちゃめちゃ落ち着きなかったっつーか、緊張してたんかな?あたふたしてたっつーか…?」 





…つーことは、あたしの時は落ち着いてるから、啓ちゃんは恋してない、と?



あー、そう。

そういうことですか。