「あ、これ年賀状?!」

「あ~!見んなっ!」


啓太はパッとそれを奪い返し、後ろに隠した。


「何でぇ~」

「だって、美園にも書いてんのに、見ちゃったらつまんないじゃん!」

「手渡しでいいのに!」



すると啓太は立ち上がってハガキを引き出しの中にしまいに行き、口をハリセンボンのように膨らませた。



「やだっ」

「なぁにぃー。分かった!じゃあ、ポスト見るの楽しみにしてるよ」



そう言うと、へらっと笑って「うん!」と戻ってきた。

そんな啓太を見ているだけで、幸せな気持ちになれる。




きっと、あたしは、マザコンならぬ、ブラコンならぬ、啓ちゃんコンだわ。

啓ちゃんバカ。



しかもかなりの重症。

病名『マシュマロ中毒』



なんてね。



「よしっ!」



その時、急に啓太が立ち上がった。