鈴の音が響くイベントが終わったら、師も走る忙しい年末。
今日は28日。
あたしは、家にいたら大掃除手伝わされると思って、早起きして、啓太の家に逃げてきたわけだ。
換気扇だ、テレビの裏だって、埃吸って喉痛くなるのはマジ勘弁!
「美園、いいの?家手伝わなくて」
「いーの、いーの」
ソファに座ってポポとじゃれているあたしを見て、啓太が紅茶を入れながら言った。
昨日の大袈裟な気持ちの整理は、思ったよりもよく効いている。
あたしは、やけに落ち着いている自分にホッと胸を撫で下ろした。
あたしは紅茶を飲みに立ち上がった。
椅子に座って待っていると、啓太がティーカップを2つテーブルに置き、自分も座った。
おいしい、アップルティーかな。
あたしは、クッキーを一つかじった啓太と目が合った。
目を三日月にして笑う啓太。
ああ、やっぱり可愛い。
好きだなぁ。
あたしはついテレテレと笑い返してニヤけた。
“お前が押し倒せ!”
…って、いやいやいや!そんなやましい気持ちは断じてないからっ…多分!
その時、テーブルの端にハガキの束を見つけた。