あたしは、割と昔から物分りのいい子でした。
コホン。
本当だよ?
だから…あたしは、恋愛モードスイッチをOFFにします。
昨日、散々落ち込んだから、大丈夫。
今日から、切り替えます。
本気です、あたし。
「なめんなよぉッ!色恋の神様~ッ!」
「み、美園?」
いきなり立ち上がって、ジュースを高く掲げたあたしに、皆びっくりして目をぱちぱちさせた。
今日は25日。
ガールズパーティで、集まってから2時間。
お昼、沙紀ん家で鍋やって、食後にお菓子食べてダイエットコーラ飲んで、いい感じに出来上がってきた頃。
「ちょっと、明日香。これアルコール入ってないよね?」
沙紀があたしを見てから、コーラのペットボットルのラベルをじろじろと見た。
「勘弁してよ。まだ昼間だよ」
明日香は時計をチラ見し、首をすくめて、ため息をついた。
沙紀と仁美がにしゃにしゃ笑って、あたしを挟んで座った。
「お客さん、どうしました~?失恋ですかい?」
「え…っ?!まっさか!違うよ、何言ってんの、あんたら…」
「まぁまぁ、飲んでくださいよ」
「あーっ溢れる!溢れる!」
沙紀があたしのグラスにコーラを注いだ。
あたしはそれを喉を鳴らして飲んだ。