長かったような、短かったような。
冬休みはあっという間にやってきた。
今日は、12月22日。
あたしは結局、啓太に予定を聞けてないまま。
「次は冬休み中の生活注意について、生徒指導の藤堂先生お願い致します」
終業式。
がしっとした面構えの藤堂が、飲酒、夜遊び厳禁!と吠えているのを聞いて、あたしは、例の件を思い出してぎくっとした。
「ねぇ、美園。デート、どっちの日か決まった?」
前にいた明日香が、こっそり振り返って、小声で話しかけてきた。
ああ、今、明日香の頭の中はピンク色。
「決まってないけど…どっちでも平気だよ。明日香たちの都合に合わせてで」
「え、そうなの?」
だって…一緒に過ごせるかどうかも微妙だしさぁ…。
一緒に過ごさないとなったら、片方のクリスマスは1人で、のんびりDVDでも観るよ。
そうなったら、絶対恋愛の出てこない映画を観てやる!
そんなこんなで、鍋パーは25日に決まった。
教室に戻り、地獄の通知表返し。
よ、よかった、どうやら今回はアヒルさんは、あたしの成績に遊びには来なかったみたい。
皆肩を落としてたけど、すぐに笑顔に変わっていた。
なぜなら、耳を済ませると、みんなクリスマスの話題で持ちきり。
手編みのマフラーなんか編んでいる子もいる。