誰にだって、過ちはある。


けど、あたしはそんなことに屈したくはなかった。


二人の前では、いい子でいたかった。


感情を押し殺そうと決めたのに、ダメだった。


亮君にキスをされた瞬間、なにもかもが壊れた。


あたしたちは元々、友達なんかじゃなかった。


連絡先だって、知ってるのはあたしだけ。

バイト以外で、逢うことなんてないし。


だから、ユカが好きになったと聞いたとき、あたしは応援しようと思った。







「なにやってんの」


亮君の目の前で、ユカが泣いている。


あたしは無意識のうちに、そんな言葉を発していた。