「―――――…で?何があったの?」


一時間目をサボった理由も含めて、今までの出来事を優衣に洗いざらい話したのは、昼休みの屋上で。


雲ひとつない真っ青なキレイな空の下、誰もいない開放的な空間の片隅でコソコソと二人で話した。



結局悠斗には騙されていた事。


サボっていた時間は祐介といた事。


どうして祐介と一緒だったかっていう理由を話すために、祐介と初めて話した準備室の事。



お弁当の事。



そして、秘密を共有した事。



優衣は黙って私の話を聞いてくれた。全部話してから最初に優衣が言った言葉は



「悔しい」


「え?」



聞き返したら



「だって、あたしと彩音は1年の時からずっと仲良くしてたのに、ぽっと出の雅治?人体模型に抱き着いてないてたなんて!あたしの胸で泣いてよ〜」


そんな答えが返ってきた。


「そっち!?」


「そっか、辛かったね。結局悠斗君とは別れるの?この前はやめようかなとか言ってたけど」



パックの飲み物をストローでチューチュー吸いながら、優しい表情で聞いてくるから、ゆっくりと首を縦に振った。


その動作だけで、ちゃんと私の決心を分かってくれる。


「今まで頑張ったもんね、もう頑張んないでいいよ。あたしが許す」



そう言って、おにぎりをむしゃむしゃ食べた。
優衣とは高校の時からの付き合いだけど、いつだって私の気持ちを汲んでくれる。ただ別れなの一点張りじゃなくて、悪戯に心を揺さぶるような事も言わない。


いつだって物事を客観的に捉えて、導いてくれる。頼もしくて、優しくて。何度も騙されてちゃんと愛されない私なのに、それでもバカにしないで私の傍にいてくれる。



「ありがとう、優衣。私、優衣がいなかったらもっと駄目になってた。本当にありがとう」


「気にしないでよ、お互い様でしょ?そんな事より、あたし祐介君の行動が気になる」