「もー悠斗ったら心配したじゃん。気の迷いだったの?」



そっと覗けば悠斗に群がる女の子たち。



「たまには彼女の機嫌も取らなきゃな。でももう機嫌も直ったみたいだし、これからは相手してやるよ」



「マジで!!じゃあ今日はアタシとお泊まりね〜」


「いーけど、寝かせろよな」




鈍器で頭を殴られたようなって比喩があったけど、今の私がそうだった。



「あれ?オハヨー彩音今日早いね。教室行こう」


後ろから優衣の声。
彩音という声に反応した悠斗は廊下にいる私に気づいて、悪魔のような笑みを見せた。



「悪いけど、優衣……サボる。一人にさせて」



「え?ちょっ、彩音?」



振り返れなかった。
また、また私は騙された。何度も浮かれて、信じて愛して、バカみたい。



あんな男のために涙を流してる。




もう行かなくて済んだ、そう思ったのに結局第2理学準備室に行って、雅治にしがみついた。