「どうしたの?」


「私が聞きたいよ、優衣」


あの変化を見ていたんだろう。優衣の質問はもっともだった。誰よりも私と一緒にいる優衣が一番悠斗の酷い仕打ちを知ってる。




「でもさ……取り巻きの女たち、いい気味だった」


「なにが?」


いい気味だったって言ったのは、前回悠斗をぶん殴ろうかと思ったと言った巻き毛のかわいいギャル。


「あたし見てたんだけど〜、彩音ちゃんに構わず悠斗君に声かけようとしてた普段取り巻きやってる女たちが、彩音ちゃんたちのあまりの雰囲気の良さに近付けなかったみたいだよ?彼女の貫禄っていうのかなぁ?お似合いだよねぇ〜って声もチラホラ聞こえてきたしぃ〜マジ取り巻きウケるし」



そんな感じで私と悠斗の朝の雰囲気の話題で持ちきりだった。





そしてお昼休みは宣言通り悠斗が迎えに来てくれて、屋上で二人きり。



食べ終わると長いキスをして、チャイムが鳴るまで膝枕を要求して眠る。




放課後はバイト先まで送ってくれて、バイトが終わるとバイクで迎えに来てくれる。


それが約1週間くらい続いて、バイトがお休みの時は一緒に買い物に行った。



「デートみたいだね!」


「デートだろ?」



今まで放課後デートなんてした事なかった。嬉しくてはしゃいでる自分がいた。

帰る前にクレープを二人で食べた時、そういえば祐介が美味しいスイーツのお店に連れてってくれるって言ってたな〜なんて思い出したけど、悠斗と過ごす時間が長くなって祐介にもあれから全然会ってなかった。


ずっと一緒にいられる事が嬉しくて、初めて料理教室を休んだ。




悠斗と別れるまでカウントが52日目。



「優衣、私……別れるのやめようかな……」



「はぁ!?何言ってんの?」


私の中で、ついにカウントが止まった。