カウントダウン




「ほら起きろよ……」



「……んっ」


「サボッちゃう?彩音、ほら起きろ」


「ああ!!ごめん、おはよう」


二度寝した。
時計を見ればギリギリまだ間に合う時間。


慌てて支度をして、飛び出すようにマンションを出れば、悠斗の指先が私の掌に絡んだ。



「コンビニ寄ってから学校行くぞ」


「あ……うん」


笑顔も口調も歩幅も、付き合い初めの悠斗と同じ。



また、戻れるの?
見上げても答えはない。



繋いだ手は、そのままコンビニでも、バスの中でも、学校に着いても離れない。


笑顔で他愛もない話をする悠斗に、いつの間にか私の頬も緩んでいた。



「悠斗ぉ〜、おは……」


さっきから、悠斗を見つけた女の子たちが挨拶の途中でいなくなる。


繋いだ手を離そうとする私に対して、悠斗はぎゅっと握り返した。



「教室まで離れんなよ」


「……うん」



優しい。そしておかしい。一体なにが?


分からないけど、心は喜んでる。騙されるなって警告も鳴るけど、嬉しいと飛び跳ねる自分もいる。



「じゃあ昼休み迎えに来るから」


「分かった、ありがと悠斗」



さっきコンビニにで昼食も買った。だから、久し振りのお誘い。



なにが起きた?
思考回路が追い付かないまま教室に入れば、優衣を含むクラスの女子が挨拶もそこそこに私の周りに集まった。