カウントダウン



料理教室に通い始めたのも夏休み中。内緒で上達していこうと思ってたら、いつの間にか言えず仕舞いだった。



バイトもしてたけど、夏休み中はほぼ毎日一緒にいて、この時はデートもしてた。



悠斗とハジメテを迎えた時は、本当に優しくてゆっくり時間をかけて愛してくれたから出血の割りに痛みはそんなでもなかった。



かけてくれた言葉や、態度すべてに溺れて、私はもう脱け出せないって感じた。



あんなに女の子が溢れていた生活をしていたのに、その影が全く見えなくて、夏休みが終わっても優しくて素敵な彼氏だった。





なのに、3ヵ月目を過ぎたある日、突然突き放される事になる。



私が何かをしてしまったのか、悠斗の心変わりなのか、いまだに分からない。



あんなに拒んでいた女の子たちを近付けて、逆に私は逢う事もメールも電話も少なくなって……。



何度も話し合った。
泣いた事もあったし、今後どうしたいかの確認もした。



でも、ケンカするたび曖昧にされて、無理矢理キスをして一方的に話を終わらせる。



罵られる事も多くなって、比べられる事も多くなった。



あんなに優しかったセックスも、まるで凶器を突き付けるような乱暴なものに変わった。



時にはまだ準備も整っていないのに無理矢理ねじ込まれる事も。



“不感症”



冷めた目で言われた時は、朝を迎えるまで一人で泣いた。



でも、好きだった。
私には、付き合い初めのあの優しい悠斗が忘れられない。



さすがに暴力は振るわないけど、目の前で色んな女の子にキスをしていたのも見たことあるし、時々女の子が悠斗に抱かれた報告もしてくる。




今の私が彼女だという証拠は、合鍵だけ。








潮時だと感じたのは付き合って8ヵ月目。あれから2ヵ月も経ったのに、私はなにも変わってない。優柔不断の駄目な女。



まだ隣りで寝息をたてる悠斗にしがみつきながら、別れるまであと57日とカウントした。