【祐介 side】


悠斗が本気を見せた時、もう俺じゃ彩音の心を動かせない。そう思った。



なのに彩音は離した手を掴むから



未来はまだ決まってないと自惚れる。



やっぱダメ。
彩音が昔から解り合えたダチの愛した女だとしても




欲しくて欲しくて




伸ばした手を退くことが出来ない。





唇とか身体の温度は知らねぇけど、彩音の声、表情、しぐさ、想い、知ってるから。



誰を敵に回したとしても、引けねぇトコまで来てる。





悪い悠斗。
苦しませるつもりはなかったんだ。


だけど、悠斗がもっとしっかり彩音を掴んでいたら



俺だって……。