聖の笑顔
香り
身体
コンクリート
赤
むかし…
「ねぇ、しぃ、何考えてるの?」
下から顔を覗いてくる聖。
小動物みたいで可愛い。
「いゃ、聖は可愛いなぁって」
「いやいや
この世にしぃ程可愛い奴はいないでしょう」
大袈裟に言うなぁ、と苦笑しながら聖の顔を見た。
「………せい?」
彼の表情は真剣だった。
「しぃ、もしさ、もし…俺達にお別れが来ても、しぃはずっと悲しまないで。でも俺っていう存在はしぃの中で生きていて欲しい。この先の将来、2番目でも3番目でも、俺を忘れないで。」
当たり前じゃん、と言おうとした瞬間、聖に抱きしめられていた。



