『私は男かもしれない…』









いや






むしろ私は もともと男だったかもしれない…











だって









私が 女だった時は

あんなにも自分に自信が持てなかったのに






今はこんなに自信が持てて



世界が広がった。









だからきっと私は男なんだ


今まで気づかないだけで


これが本当の自分なんだ。







私…

じゃなくて


僕…







僕は男…


















僕は そのうち沢山の女の子から告白されたり






バレンタインはとんでもないことになったりした。











一応 部活では
『恋愛禁止』だったから



付き合ったりすることはなかったけど








完全に自分自身も



周りも



『大崎小春は女であるが男』



という認識が強くなった。











でも僕にはどうしても


気にならないことがあった。



それは制服のスカート。









『規則だから守りなさい』




先生にお願いしても いつもこの回答。





暇があれば
伸びもしないスカートを少しでも長くするために引っ張ったりして








毎朝 自分を鏡で見て




不似合いなスカートにうんざりしていた。













『なぜ僕は男なのにスカートをはかないといけないのか?』








誰もまともな回答をくれなかった。