「あら、知らなかった?」


ママがニヤリと笑った。



「高志くん、遠くに行くのよ」


「と、遠くに…?」


「そう」



その後もママは何か言ってたけど、聞こえなかった。


言葉は右から左へと通り抜ける。





…ずっと。



そばにいると思ってた。


高志はあたしのそばにいるって。



それなのに、もう。


一緒に身長の印を付けることもなく…?



手をぎゅっと握りしめた。



そんなの…嫌だ!!




そう思うと同時に、

あたしは走りだした。